第32回マレーシア映画祭(FFM32)
12/2‘(金)に第32回マレーシア映画祭(Festival Filem Malaysia Ke-32/FFM32)がムラカ(マラッカ)のアンコール・シアターで開催されました。
6月に公開されるやいなや、興行収入を次々に塗り替え、昔の英雄みたいなコスプレをして大勢で上映を楽しむ会、のようなものがあちこちで開催され、ちょっとした社会現象にもなっていた「Mat Kilau : Kebangkitan Pahlawan」(Mat Kilauはイギリスの植民地政府に反抗した実在の英雄でkebangkitan pahlawanは「立ち上がる英雄」ぐらいの意味)は、結局最優秀男優賞、最優秀助演男優賞、審査員特別賞、興行成績賞の4賞しか受賞せず、検閲の関係で、公開が10年ほど遅れた「Spilt Gravy」と「Small Town Heroes」の2作品が、7賞ずつを分ける結果になりました。
「Spilt Gravy」は「ke mana tumpahnya kuah kalau tidak ke nasi」というマレー語のことわざからきているタイトルで、直訳すると「汁をかけるのはご飯の上でなかったら他にどこがあるだろうか」となるのですが、親の性質は子どもに受け継がれる、ということを意味します。死期に瀕したワンマンな父親が、父親とあまり話したがらない子どもたちを食事に呼びますが、子どもたちもそれぞれに問題を抱えていて…」というようなあらすじ。ゲイやドラッグなどが出てくるので、検閲にひっかかったのかなと思いますが、それにしても、大ベテランの(そりゃ映画の監督はあまりしていないかもしれないけど)Zahim Albakriが新人監督賞を受賞、というのはどういうことなのだろう、と思ったりもします。
「Small Town Heroes」は、孤児院で暮らす子どもたちが、ある少年のお母さんが、約束したのに迎えに来てくれなかったので、みんなで探しに出かける、というストーリーのようです。あまり騒がれてないけど、監督賞、原案賞、撮影賞を含む7賞を受賞してるって結構すごいことなのでは、と思います。
<第32回マレーシア映画祭受賞者一覧>
Filem Terbaik(最優秀作品賞):Spilt Gravy
Pengarah Terbaik(最優秀監督賞):Pyon Lee Eng Keong (Small Town Heroes)
Pelakon Lelaki Terbaik(最優秀男優賞):Datuk Adi Putra (Mat Kilau : Kebangkitan Pahlawan)
Pelakon Wanita Terbaik(最優秀女優賞):Tan Chui Mui (Barbarian Invasion)
Skor Muzik Asal Terbaik(最優秀作曲賞):Tan Yen Hue、Tan Shin Hwa、David Ngan Teck Wai (Small Town Heroes)
Cerita Asal Terbaik(最優秀原案賞):Ryon Lee Eng Keong (Small Town Heroes)
Lakon Layar Terbaik(最優秀脚本賞):Jit Murad、Datuk Zahim Albakri & Jun Tan (Spilt Gravy)
Penyunting Terbaik(最優秀編集賞):Isazaly Isa & A Samad Hassan (Spilt Gravy)
Sinematografi Terbaik(最優秀撮影賞):Stephen Chua Jyh Shyan (Small Town Heroes)
Penataan Bunyi Terbaik(最優秀音響賞):Charleene Ong Chye Leng (Air Force The Movie Selagi Bernyawa)
Anugerah Penggiat Belakang Tabir(最優秀裏方賞):Akma Suriati Awang
Anugerah Seniman Sepanjang Zaman(男性アーティスト功労賞):Mat Sentul
Anugerah Seniwati Sepanjang Zaman (女性アーティスト功労賞):Datuk Sarimah Ahmad
Anugerah Khas Juri Filem Antarabangsa (海外映画審査員特別賞):Ranah 3 Warna
Pengarah Harapan(新人監督賞):Datuk Zahim Albakri (Spilt Gravy)
Pelakon Pembantu Lelaki Terbaik(最優秀助演男優賞):Beto Kusyairy (Mat Kilau : Kebangkitan Pahlawan)
Pelakon Pembantu Wanita Terbaik (最優秀助演女優賞):Juliana Ibrahim (Spilt Gravy)
Pelakon Kanak-Kanak Terbaik(最優秀子役賞):Phua Chandler (Small Town Heroes)
Pelakon Wanita Harapan(新人女優賞):Layla Sania Khairuzikri (Small Town Heroes)
Pelakon Lelaki Harapan(新人男優賞):Jaa Suzran (Autumn In Wales)
Lagu Tema Terbaik (最優秀テーマ曲賞):Wira Hatiku (Juang)
Rekaan Busana Terbaik(最優秀衣装賞):Rosada Abdul Hamid (Spilt Gravy)
Kesan Khas Visual Terbaik(最優秀視覚効果賞):Ma Chiau Ran、Tan Ye Xuan、Pau Tun Kai (Air ForceThe Movie : Selagi Bernyawa)
Penataan Seni Terbaik(最優秀美術賞):Raja Malek & Wong Taysy (Spilt Gravy)
Poster Terbaik(最優秀ポスター賞):Small Town Heroes
Tatarias Terbaik(最優秀メイクアップ賞):Malya Arywork (Rasuk)
Anugerah Khas Juri 1(審査員特別賞1):Juang
Anugerah Khas Juri 2(審査員特別賞2):Mat Kilau : Kebangkitan Pahlawan
Anugerah Khas Juri 3(審査員特別賞3):Air Force The Movie : Selagi Bernyawa
Anugerah Filem Box Office(興行成績賞):Mat Kilau : Kebangkitan Pahlawan
Anugerah Filem Pendek Terbaik(最優秀短編映画賞):Can You Love Me Most?
各映画の詳細は、下記ページから見ることができます。
・Spilt Gravy
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2022.17016.splitgravy.33681
・Mat Kilau : Kebangkitan Pahlawan
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2022.16931.matkilau.33536
・Small Town Heroes
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2021.15765.smalltownheroes.31431
・Air Force The Movie : Selagi Bernyawa
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2021.16316.airforcethemovie.32336
※これ、日本で公開するってニュースに出てたのに、どうなったのか…。
・Barbarian Invasion
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2021.16505.barbarianinvasion.32641
・Autumn In Wales
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2022.16908.autumnwales.33495
・Juang
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2021.16342.juang.32389
・Rasuk
https://www.cinema.com.my/movies/details.aspx?search=2021.16314.rasuk2021.32334
Adibah Noor 出演作品追悼上映
Yasmin Ahmad監督作品でお馴染みだったAdibah Noorさんが6月18日にお亡くなりになりました。『細い目』、『グブラ』、『ムクシン』でオーキッドの家/実家のメイドさん、『タレンタイム』では学校の先生を演じていた彼女は、『ムクシン』の劇中でその美しい歌声を披露していたように、優れた歌手でもありました。
マレーシアの庶民にその存在が知られるようになったのは、おそらくYasmin監督が撮ったテレビコマーシャルでしょう。Ho Yuhang監督と共に登場する愉快なコマーシャルの数々は、今も多くの人々の心に残っています。主にTV3のコマーシャルで知られるその黄金トリオ、Yasmin監督が亡くなって10年が経ち、Yuhang監督は「Adibahが出るならまた作りたい」と言っていたものの、コロナ禍で結局実現せぬままとなってしまいました。
彼女が最後に表舞台に出たのは、衛星テレビ局ASTROの人気歌番組「Gegar Vaganza」。既にキャリアのある歌手たちが何組も登場し、毎週各々に与えられた課題曲を披露するという勝ち抜き戦方式の人気番組でした。初回はみな持ち歌のヒット曲を歌うのですが、彼女の場合はもちろん「Terlalu Istimewa」。
https://www.youtube.com/watch?v=Yhpd3wPmch4
最終回まで勝ち残り、結果4位に輝いたのですが、今思えばその時は既に闘病中だったはずで、そんな中でも果敢にチャレンジしていたのだなと、訃報を聞いて改めて尊敬したのでした。
そんなAdibahさんを偲ぶ上映が全国の映画館で行われるとのこと。もう既にご覧になったことがある作品も、この機会に改めて、Adibahさんに会いに劇場に足を運んでみてはいかがですか?
詳しくはこちらから ↓
ヤスミン・アフマド監督作品で知られる女優・歌手 アディバ・ヌールさんの逝去を悼み、全国の映画館にて追悼上映が決定。|ムヴィオラ|note
「CROSSCUT ASIA おいしい!オンライン映画祭」
国際交流基金アジアセンター×東京国際映画祭の「CROSSCUT ASIA おいしい!オンライン映画祭」で、1/21(金)~2/3(木)まで、さまざまな東南アジアの映画がオンライン配信(無料)されます。
残念ながらマレーシアの食べ物に関する映画はないのですが、インドネシアの各地の料理を食べ歩きする「アルナとその好物」、孵化しかけの卵を茹でて食べる「バロット」が出てくるフィリピンの「バロットの大地」、シンガポールの「ワンタンミー」、タイの「愛のスープ」などおいしそうな映画が目白押しです。
また、食べ物に関する映画以外に、これまで東京国際映画祭で上映された東南アジア映画のアンコール上映も行われ、マレーシアからは映画音楽も多く手がけるミュージシャンのピート・テオが関わった短編映画の上映が行われます。
視聴は事前登録が必要で、今日から登録が始まっています。ご興味がある方は是非登録を。
マレーシア「ピート・テオ特集」
https://crosscutonline.jfac.jp/wp/movie/pete-teo-special/?lang=Japanese
映画祭のウェブサイト(登録はここから)
『テロライザーズ』&「ムーンライト・シャドウ』(東京国際映画祭2021)
前回の投稿でもお知らせしましたが、今年も10月30日から11月8日まで、東京国際映画祭が開催されました。
今年は、マレーシアを舞台にした映画は上映されませんでしたが、マレーシア出身の監督の作品が2作品、東京国際映画祭で上映されました。
1本目はホー・ウィディン監督の『テロライザーズ』です。ホー監督は、ジョホール州ムアー(Muar)生まれ。ニューヨーク大学で学んだ後、台北を拠点に活動しています。『テロライザーズ』の舞台も台北で、台北に住む複数の若者たちが登場し、物語が進むにつれて、彼らの抱える苦しみや悲しみが明らかになっていきます。台北駅での通り魔事件から物語がスタートしますが、映画が進むにつれて、事件の真相も明らかになっていくという、ミステリー仕立てにもなっています。
『テロライザーズ』はホー監督の長編4作目に当たりますが、長編第1作の「ピノイ・サンデー」は第10回NHKアジア・フィルム・フェスティバル(2009)、第3作の「幸福城市」は第19回東京フィルメックス(2018)で上映されていて、日本にも馴染みの深い監督さんかも知れません。
残念ながら、『テロライザーズ』はまだ配信などでは見られないようですが、『幸福城市』はNetflixで見ることができるようです。
『幸福城市』
https://filmarks.com/movies/81531
『テロライザーズ』の予告編と監督のトークは、YouTubeの東京国際映画祭のチャンネルで見ることができます。
予告編
https://youtu.be/Inxk-cGf8KM
TIFFトークサロン ホー・ウィディン(監督/脚本/編集)
https://youtu.be/R8x30zhiMAo
マレーシア出身監督によるもう1作はエドモンド・ヨー監督の『ムーンライト・シャドウ』です。こちらは吉本ばななさんの原作を日本人キャストで、日本で撮影された作品で、Nippon Cinema Nowのカテゴリーで上映されました。
こちらもオンラインで予告編と監督のトーク(このために来日され、対面のトークだったようです)も、オンラインで見ることができます。
予告編
https://youtu.be/scpUg1hLCBs
TIFFトークサロン エドモンド・ヨウ(監督)
https://youtu.be/wK8Wdy0TZsc
『ムーンライト・シャドウ』は来年1月から始まる日本映画祭でマレーシアに凱旋(?)、日本でもWOWOWシネマで放映されるようです。
Japan Foundation Kuala Lumpur日本映画祭2021
https://www.jfkl.org.my/japanese-film-festival-2021/
WOWOWシネマ『ムーンライト・シャドウ』
https://www.wowow.co.jp/detail/174912
シュシ・スライマン個展「赤道の伝承」
マレーシアの現代アーティスト、シュシ・スライマンさんの個展が、六本木の小山登美夫ギャラリーで開催中です。
シュシさんは、2017年に開催された「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」や同年の「ヨコハマ・トリエンナーレ」に参加したり、作品が東京国立近代美術館に収蔵されたりしていて、日本でも作品を見る機会があるアーティストの1人です。
個展の詳細は↓
http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/shooshie2021/
11/20(土)まで。11:00~19:00日月祝休み。
第34回東京国際映画祭
今年も10/30(土)~11/8(日)まで、東京国際映画祭が開催されます!
今年は残念ながら、マレーシアを舞台にした映画の上映はありませんが、
マレーシア出身の監督の作品が2つ上映されます。
●「テロライザーズ」(ワールド・フォーカス)
ホー・ウィディン監督
マレーシア出身で、台湾で活躍する映画監督で、長編第一作「ピノイ・サンデー」は金馬奨で最優秀監督賞を受賞。
長編第3作目の「幸福城市」はトロント国際映画祭のプラットフォーム賞を受賞しています。
台北に住む若者のの日常生活を描いた、最新作「テロライザーズ」も、トロント国際映画祭でワールドプレミア上映されています。(11/3(水)18:50~、11/8(月)14:20~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3404WFC07
●「ムーンライト・シャドウ」(Nippon Cinema Now)
エドモンド・ヨウ監督
マレーシア出身で、日本で活躍するエドモンド・ヨウ監督の最新作。9月から劇場公開されているので、予告編を目にされた方もいるかも知れません。
吉本ばななさんの「キッチン」に収められた短編を原作にしたこの作品。原作の不思議な雰囲気が、エドモンド監督の張りつめた映像の美しさと相まって、とても美しい作品になっていると思います。主演の小松奈々さんが
本当にかわいくて、見逃した方は、是非この機会にどうぞ。(11/1(月)18:20~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3405NCN07
東京国際映画祭では、東南アジアの作品もたくさん上映されるので、そちらもちらっとご紹介します。
●「アリサカ」(コンペティション)
ミカイル・レッド監督(フィリピン)
(11/1(月)15:55~、11/6(土)15:50~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3401CMP01
●「復讐」(コンペティション)
ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)
(10/30(土)19:15~、11/4(木)15:00~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3401CMP12
●「ブローカーたち」(アジアの未来)
ダニエル・R・パラシオ監督(フィリピン)
(11/2(火)19:05~、11/6(土)19:10~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3402ASF04
●「義足のボクサー」(ガラ・セレクション)
ブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)
(10/30(土)17:00~、11/5(金)10:40~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3403GLS04
●「MEMORIA メモリア」(ガラ・セレクション)
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督(タイ)
(11/1(月)14:15~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3403GLS08
●「復讐は神にまかせて」(ワールド・フォーカス)
エドウィン監督(インドネシア)
10/30(土)19:05~、11/04(木)14:05~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3404WFC08
●「フォークロア・シリーズ2『お出かけ』『あの風が吹いた日』」(TIFFシリーズ)
『お出かけ』
ニコール・ミドリ・ウッドフォード監督(シンガポール)
(11/04(木)18:50~)
https://2021.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3409TSR01
さらに同時開催の東京フィルメックスでも、東南アジア映画が数多く上映されます(こちらは残念ながらマレーシア関連の映画の上映はないようです。)
●「時の解剖学」(コンペティション)
ジャッカワーン・ニンタムロン監督(タイ)
(10/30(土)21:00~、11/4(木)14:20~)
https://filmex.jp/2021/program/competition/fc5
●「ホワイト・ビルディング」(コンペティション)
ニアン・カヴィッチ監督(カンボジア)
(11/1(月)18:40~、11/4(木)21:10~)
https://filmex.jp/2021/program/competition/fc6
●「ユニ」(コンペティション)
カミラ・アンディニ監督(インドネシア)
(11/5(金)18:30~、11/3(水)21:10~)
https://filmex.jp/2021/program/competition/fc7
●「永遠に続く嵐の年」(特別招待作品)
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督(タイ)、アンソニー・チェン監督(シンガポール)ほか
(11/3(水)10:20~)
東京フィルメックスは、いくつかの作品のオンライン配信、また今回上映される監督の前作のプレ・オンライン配信なども予定されています。是非ウェブサイトで確認してみてください。
秋のないマレーシアから吹く芸術の秋風:オンラインでパフォーマンスを楽しもう
6月1日の再ロックダウンから、3か月強に渡り臨時休館を余儀なくされていた映画館や劇場などのマレーシアの文化施設。本日9月7日夕方の首相発表で、明後日9月9日から条件付きでの営業が可能になりました。とはいえ、劇場に許された観客数は満席状態の30%、ワクチン2回接種後2週間以上経った人のみ入場可能など、自由にならない状況はもうしばらく続くと予想されるため、まだまだ多くのイベントがオンラインで行われていくものと思われます。
もうオンラインものには飽き飽きしている人が大半だとは思いますが、二度と観ることはできないだろうと思っていた懐かしい作品や、フィジカルなイベントだったら集められないような豪華なラインナップが実現できてしまうのは、ある意味この苦しい状況が生み出したポジティブな産物なのかもしれません。
ということで、
9月中に実施予定のイベントや作品をいくつかご紹介します。
1.アジアだじゃれ音LINE音楽祭(9月12日)
マレーシア随一のテルミン奏者(というか他にいるのか不明)で作曲家のNg Chor Guanが、音楽家 野村誠氏率いる「アジアだじゃれ音LINE音楽祭」に登場します。
2013年に野村氏がマレーシアを訪問してスタートした両者の交流と、同じく交流を続けてきたタイやインドネシアの音楽家たちとのオンラインでの共演が楽しみです。
<音楽祭の情報はこちらから>
https://aaa-senju.com/nomura?fbclid=IwAR08MT6AtLtY57mpqfVdIhsZfytHapxa1TG8HT4dfmjndWRN55KPtmFJRgY
<過去のマレーシアでのコラボレーションについてはこちら>
https://www.jfkl.org.my/makoto-nomura-toccata/
https://www.jfkl.org.my/events/detail/id=913
https://www.jfkl.org.my/makoto-nomura-work-in-progress/
2.TUNKU the Musical(9月12日まで)
このロックダウンで本当に苦しんでいた施設の一つklpac(Kuala Lumpur Performance Arts Centre)。昨年から合わせると、観客を入れることができなかった日数は376日にも及びました。その間にもさまざまな試みで観客とつながり続ける努力を惜しみませんでしたが、8月31日の独立記念日に合わせ、2007年に上演された「TUNKU The Musical」を9月12日までYouTubeで無料配信しています。TUNKUとはもちろん建国の父、初代首相のTunku Abdul Rahmanのこと。マレーシア独立50周年を記念して作られた作品です。そしてビデオの最初に登場するのは、klpacを率いるマレーシア現代演劇界の重鎮、Joe Hasham & Faridah Merican夫妻。最近いろいろなところに登場するこのお二人の寸劇のようなトークが、個人的にはかなり好きです。
<TUNKU The Musicalはこちらから>
https://www.youtube.com/watch?v=300ggFphkjI
3.Air Con (9月24日~26日)
The Instant Café Theatre(ICT)は、常に良質かつ風刺のきいた演劇作品を発表してきた劇団。2016年のフェスティバルトーキョーでは、ヤスミン・アフマド監督作品でおなじみのSharifah Amani主演で「Nadirah」が上演されました。2008年にklpacで上演された「Air Con」はクダ州の寄宿学校の男子学生たちとその学校の近くで殺害された娼婦の物語。かなり長めの作品ではあるもののICTの代表作の一つと捉えられており、その人気から即翌年に再演された際には、全ての回が満席だったことを記憶しています。セリフはクダ方言がかなり利いていて、それもまた面白いのですが、ちゃんと英語字幕がついているそうですのでご心配なく!
<Air Conのチケットはこちらから>
2と3はもともと記録用に収録されたものであるため、映像や音の質は決して最良のものとは言えませんが、今後再演はないと思われるので、この機会にぜひ!